ハウルの動く城

ロマンアルバム  ハウルの動く城
これだけ置いてけぼり食らった映画は始めてかもしんない。


 てなわけで、見てきました。
 さすがに、絵はむっちゃ綺麗。また、もう呆れるぐらい動く動く。
 一番の心配だったキムタクは、意外や意外違和感なし。美輪明宏は相変わらず凄まじい存在感(まぁ普段と変わりなしなんだけど)。ヒロインのソフィー演じる倍賞千恵子さんは・・・、うーむ・・・。16歳モードではさすがに違和感アリだけど、90歳モードに入ってからはすんなりと見ることできたかな。90歳と16歳を行き来する頃には大分馴染んでたかもしれない。
 背景となるヨーロッパのどこぞの街の風景、都市の背後に広がる丘陵、アルプスを思わせる山々、そんな描写もすんごい緻密で綺麗で魅力的。
 また、宮崎映画に欠かせない空飛ぶマシン。ハエのように羽ばたく小型マシンもあり、今回は大型戦艦ですらばっさばっさと羽ばたく。そんなのありですか? いやいや、やられました。
 各キャラの個性もなかなか良い感じ。主役たちのキャラも良く書けてるし、小生意気なお子ちゃまマルクル、火の精カルシファーや、カブ、ヒンたち脇役たちも、それぞれ見せ場をもってて、よく描かれてます。


 と、絵や声やキャラは(一部微妙なとこもあるけど)かなりいい感じ。
 そんな高評価を一転微妙にしちゃったのが、ストーリー。なんだかもう、お客そっちのけで進む進む。訳わかんないうちにお話はずんずん進み、気がついたら大団円ですよ。
 ・・・、なんだったんだか、おいら結局理解できませんた。まだイノセンスのが(表層的とはいえ)理解できましたよ。
 何で分かりにくいかといえば、状況説明がほとんどない、からかなぁ。たとえば、何で戦争してるの。何でハウルはそれに巻き込まれるの?師匠は一体何がしたかったの? 思い返してみれば、まぁなんとなく分からんでもない点もあるんだけど、まだ腑に落ちない点もある。 2、3度見ればわかってくるのかなぁ。
 でも、あんまり説明ばかりしてたらテンポ悪くなっちゃうよね。


 ま、なんだかんだ言っても、大団円でめでたしめでたし、とさえ分かればそれで問題ない作品なので、そう肩肘はらずに細かいこと気にせず宮崎駿ファンタジックワールドにどっぷりとはまれば、それだけで楽しい映画です。実際2時間はあっという間でした。
 これもそのうちテレビでやるのは確実な映画だけども、臨場感溢れる劇場で見るのはいいもんですよ、やっぱ。


私的評価:★★★★
(顔評価は早くも挫折)


 でも、あの犬は絶対押井さんの影響だよねぇ。