「亡国のイージス」福井晴敏

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)


久々の読書。
上下巻あわせると結構な厚さで、登場人物も多く馴染みのない肩書きばっかりで把握しずらいし、兵器、戦艦、軍隊などの専門用語ずらずらで、とっつきにくいっちゃあとっつきにくいんだけど、それでも結構楽に読めました。単語や人物の絡み合いこそ把握しづらいけど、文体としては平易で読みやすく、また語り口も上手で、なかなか本を置けずにどっぷりでした。
特に上巻の後半、めまぐるしく変わる状況、誰が敵で誰が味方か。単純なおいらはいとも簡単に著者の手の平で踊らされてました。いやー、模範的な良読者だね、わたくし。
なんとなく、押井守臭が漂ってきそうな作品。またどうしても「沈黙の艦隊」やトム・クランシーあたりの影響はぬぐえない、かも。まぁおいらがまっとうな国家・国防論や戦争・軍隊論を持ってるわけないので、それらを語るには過去に見た・読んだものを引き合いに出すしかないので、そう思えてしまうのかも。
謀略・疑惑が渦巻く上巻、ノンストップアクションな下巻。いろんな立場の男たちの苦悩・決断・行動。なかなか読み応えのある作品でした。
そして、エピローグの墓前のシーンでは不覚にもウルッと来ました。


さて、この汗臭い小説をどう映画化してくれるのか、楽しみだけども、どうだろ・・・。
http://aegis.goo.ne.jp/
なんだかいきなし核心をネタばれしてるし。いいのか?