千年女優

千年女優 [DVD]

千年女優 [DVD]


この前の「東京ゴッドファーザーズ」(id:Yone:20040906)ではまってしまった今敏監督の作品。同監督の「パーフェクト・ブルー」とどっちにしようか迷ったけど、パッと見はじみそうだったけども、なんとなくこっちに。


人里はなれて(須磨かどこかかな?)余生を過ごす名女優・千代子。彼女のもとへ、彼女の大切な「鍵」を届け、それにまつわる話を取材しに来た製作会社専務とカメラマンの2人。彼女へのインタビューは、現在と、彼女の過去、そして彼女の出演する映画の世界、これらの世界を彷徨い、時に出演しながら、3人は時代を超え彼女の生き様を追体験していく・・・。
ってあらすじでいいのかなぁ。うーん、これじゃあんまり面白くなさそうだ(>_<)


この、現在と過去と映画の入り乱れた混沌を彷徨う専務のおっさんとカメラマンのコンビが、イイ。おっさんはいつの間にやら映画の中の登場人物となりノリノリ。一方おっさんとは世代の違う若いカメラマンは、1歩引いて おいら達視聴者に近いスタンスからボヤキつつ突っ込み。しまいにはやけになって合いの手まで入れるし。カメラマン、助演男優賞物です。
それよりも何よりも、千代子。これが何とも魅力的に描かれてます。思い出の中での女学生から、映画の中の役として、看護生、姫様、くのいち、おいらん、はいからさん、はたまた女囚から女学者・・・と、千代子七変化。どれもがかわいいんだな。きっと監督の理想の女性像なんだろな。


そんなんで突拍子もない展開が怒涛のように繰り広げられるんだけど、どれもが鍵と千代子の世界を膨らませていき、そしてクライマックスの千代子へ収束していく。コメディタッチで飾り付けてはいるけども、幹にあるのは切ない恋愛映画です。
正面から直球で恋愛映画されると(しかもアニメで)おいらとしてはなんだか萎えちゃいそうだけど、この味付けのバランスは絶妙です。
この監督の小ネタのセンス、緩急つけた展開。おいらのツボに来てしまいました。


ちこっと千代子のキャラが狙い過ぎてるかなーという感もあるけど、かわいいのでOK!


私的評価:★★★★(4/5)


ちなみに、松本零士「千年女王」とは全く関係ないので。