『SS』 / 東本昌平

SS (1) (ビッグコミックス―Big comic superior)
えーと、ジャンル的には「走り屋マンガ」です、きっと。走り屋マンガといえばまずは「イニシャルD」、んで「湾岸MIDNIGHT」や「オーバーレブ」といったとこがメジャーどこでしょうか?。いずれも車に情熱を捧げる若者の青春スポコンマンガ(?)といった感があります(湾岸はよく知らないけど)。
対してこの「SS」、まったく違います。主人公おっさんです。いい年して、子供もいるおっさんが、ふとしたきっかけから、青春時代に果たせなかった何かを取り戻すかのように、峠の世界に再び没頭していきます。前途洋洋たる若者のストーリとはえらい違いです。そして、こっちのおっさんのほうの心情のがちょっぴり分かってしまいそうな自分がいて、ちょっぴりブルーです。
主人公のおっさんが、何でいまさら走るんだと問われたときの台詞。


「あの時負けたのが悔しいんじゃない。なんでもっと悔しがらなかったのか。今思うと それが悔しい」


マンガ喫茶で一通り読んだだけなので、もううろ覚えです。が、この一言にこのマンガは集約されていて、そんな青臭いおっさんに惹かれてしまうおいらがいるのでした。
三菱マニアなおいらとしては、主人公の車がスタリオンってとこがまたイイ。しかし、スタリオンにかけて おっさんのニックネームがジャッキー*1ってのは、もうイニD世代には通用しないんじゃないだろうか^^;
ちなみにSSとは、ラリー用語で、区間タイムを競う「スペシャルステージ」の事。ジャンプやドリフトなど、いわゆるラリー的な走りをする、全開ぶちかましエリアなわけです。
そうそう、イニDにもまして、読みにくいマンガです。特に擬音と台詞。でも不思議と雰囲気は伝わってくるんだよね〜。あんまり一般にお勧めはしないけど、それでも読んでみたいって物好きな人、いたらどうぞ^^;


イニDとか、キーワードにないんだなぁ。あんまり車興味ないのかな、はてなの人。

*1:映画「キャノンボール」で、ジャッキー・チェンの愛車がスタリオンだったことから